介護崩壊を防ぐために必要な“仕組み”とは?

定点

介護の現場では人材不足や制度の限界が深刻化しています。施設に入れない、在宅介護で家族が疲弊する、費用の負担が増える――こうした現実は「制度に任せきり」では解決できない課題です。
では、これからの介護はどう支え合えばいいのでしょうか。私は介護職として働きながら、Web5やawabotaという新しい発想に出会い、「社会全体で分散して支える仕組み」 の可能性を感じました。この記事では、その視点を共有したいと思います。

介護人材不足が加速する社会

介護現場では「人が足りない」という声を、日常的に耳にします。これは一時的な問題ではなく、社会全体で深刻化している大きな課題です。

少子高齢化が背景にある

日本は世界でもトップクラスの高齢化社会です。65歳以上の人口は年々増加し、介護を必要とする人は今後さらに増えていきます。その一方で、少子化により若い世代の労働人口は減少しています。つまり、「介護を必要とする人は増えるのに、支える人は減る」という矛盾が加速しているのです。

若手が定着しない現実

介護の仕事に就く人はいても、長く続ける人が少ないのが現状です。理由は、

  • 体力的な負担が大きい

  • 夜勤や不規則勤務で生活リズムが崩れる

  • 給与が低く、生活が安定しにくい
    といった点にあります。
    結果として、若い介護士が入っても数年で辞めてしまうケースが多く、人材不足が慢性化しています。

現場に残された人の負担が増える

人手が足りないことで、一人あたりの業務量が増加します。1人で何人もの利用者を同時にケアしなければならず、食事介助・入浴介助・記録作成などに追われて常に時間に追いつけない状態になります。その結果、介護士自身が疲弊し、さらに離職者を増やすという悪循環が起きています。

社会全体に影響が広がる

介護人材の不足は、現場だけの問題ではありません。介護施設の受け入れ数が減ると、入所を待つ高齢者が増え、家族が在宅介護を担わざるを得なくなります。その結果、介護のために仕事を辞める「介護離職」が増え、社会全体の労働力も失われてしまいます。

介護と社会保障の限界

介護の人材不足は、単に「働く人がいない」という問題だけではありません。その背景には、社会保障全体の限界が横たわっています。

財源の厳しさ

介護保険は40歳以上が保険料を支払い、65歳から利用できる仕組みです。しかし高齢者人口が増える一方で、支える側の現役世代は減少しています。結果として「払う人は減り、使う人は増える」というアンバランスが年々深刻化しています。
財源は限られているため、利用者1人あたりに割けるサービスも限られてしまいます。

「最低限」を前提とした制度設計

介護保険は「最低限の安全を守るための制度」として作られています。そのため、利用者が望むケアや家族が必要とするサポートを、すべて叶えることはできません。結果として、「思い描いた介護」と「制度でできる介護」とのギャップが常に生まれます。

医療・年金とのトリプル負担

介護だけでなく、医療費や年金も財源不足に直面しています。年金は減額が続き、医療費の自己負担も増加傾向。そこに介護費用が重なることで、高齢者世帯も支える家族も経済的に追い詰められています。

今後さらに厳しくなる可能性

少子高齢化が進めば、介護保険料の引き上げや自己負担割合の増加は避けられません。「これ以上負担できない」という声が増える一方で、「それでも制度を維持しなければならない」という現実に挟まれ、社会全体がジレンマに陥っています。

家族介護が増えるリスク

介護人材の不足、制度の制限、費用の増加――そのしわ寄せは、最終的に「家族」が背負うことになります。現場に入れない分を家庭が埋めるしかなくなり、結果として 家族介護の負担が増える のです。

介護離職の現実

親や配偶者の介護のために、仕事を辞めざるを得ない人は年間約10万人いると言われています。収入が途絶えることで生活が苦しくなるだけでなく、キャリアが中断されることで再就職も難しくなります。
特に40〜50代の「働き盛り世代」が介護離職を選ばざるを得ないケースが増えており、社会全体の労働力の損失にもつながっています。

精神的な孤立

在宅介護を担う家族は、昼夜を問わない見守りや、食事・入浴・排泄の介助を一人で抱え込むことが多くあります。制度のサポートが十分でないために「助けを求めても限界がある」と感じ、孤独や無力感に押しつぶされる人も少なくありません。家族がうつ状態に陥ったり、共倒れするケースも現実に起きています。

経済的負担

在宅介護であっても、介護用品や医療費、通院の交通費などが積み重なります。特に介護サービスの自己負担が増えれば、家計への圧迫は避けられません。結果として「施設に入れる余裕もない」「在宅で頑張るしかない」という選択を強いられる家庭もあります。

家族関係への影響

介護を担う人が1人に偏ると、兄弟姉妹や親戚の間で不公平感が生まれ、関係が悪化することもあります。また、夫婦間でも「なぜ自分ばかり」といった不満が蓄積し、家庭不和につながることもあります。介護は“家族の絆”を深める一方で、“家族の関係”を壊してしまうリスクも抱えているのです。

社会全体で分散して支えるという考え方

介護は「家庭か制度か」という二択で語られることが多いですが、現実にはそのどちらにも限界があります。だからこそ、これからの介護は 社会全体で分散して支える発想 が欠かせません。

制度や家族に偏らせない

これまでの日本は「介護は家族が担うもの」という考え方をベースにしていました。しかし核家族化や共働き世帯の増加で、その役割を担える人は急速に減っています。一方で、介護保険という制度も財源や人材不足によって限界を迎えています。つまり、どちらか一方に頼る構造そのものが破綻しつつある のです。

地域・企業・個人の役割

社会全体で支えるというのは、制度や家族だけに任せるのではなく、地域や企業、個人がそれぞれにできる形で関わることです。

  • 地域:見守りや声かけ、ちょっとした家事サポート

  • 企業:介護離職を防ぐための柔軟な働き方や福利厚生

  • 個人:経験や知識を共有し合い、情報や知恵をつなげる

こうした小さな分担が積み重なることで、介護の負担を一部の人に集中させず、分散していけます。

デジタルで広がる共助の仕組み

現実的には「忙しくて手伝えない」「近くにいない」という事情もあります。しかし、デジタルの仕組みを活用すれば、物理的な距離を超えて支え合うことが可能になります。
例えば、介護経験者が知恵を記事や動画で共有することで、同じ悩みを持つ人の助けになる。オンラインで相談できる場があれば、孤立を防ぎ、精神的な支えにもなります。

社会全体で分散して支えるという考え方

介護は「家庭」か「制度」か、という二択で語られがちですが、どちらにも限界があります。そこで重要なのが、社会全体で分散して支える仕組み です。

制度に偏ることなく、地域・企業・個人がそれぞれの役割を持ち寄ること。例えば、地域での見守り、企業による介護休暇の支援、個人による知恵や経験の共有。こうした分担が積み重なることで、介護の負担を分散させることができます。

ここで私が出会ったのが awabota というコミュニティです。
awabotaは「経済に依存しない生き方」や「第4の居場所」というコンセプトを持ち、仲間と共に仕組みを作る実践の場です。介護の現場で培った知恵や経験も、awabotaの仲間と共有すれば「制度では支えきれない部分」を補う力に変わります。孤独に抱え込むのではなく、仲間と分散して支え合える安心感――それは社会全体で分担する発想と重なっています。


Web5で広がる“自分の価値”と“共助の仕組み”

介護の制度や家族だけに頼る構造が限界を迎える中で、Web5は「自分の価値を資産として持ち歩ける」という新しい考え方を示しています。

介護職としての経験や工夫をデジタルに残せば、それは働いていない時間にも誰かを助ける資産になります。たとえば、夜勤の体調管理の工夫や、認知症ケアの声かけのコツ。記事や動画にすれば、同じ悩みを抱える介護士や家族に役立ちます。

ここでawabotaの存在は大きいです。
awabotaは「仲間と共に経済圏を作る」ことを実践しており、発信や仕組みづくりを続ける仲間がたくさんいます。私自身も、介護の経験をただ現場に消費するのではなく、Web5的に“価値を資産化する”発想 をawabotaの活動を通じて学びました。
孤独に頑張るのではなく、仲間と並走しながら共助の仕組みを広げられる――これが、制度の枠に収まらない新しい希望だと感じています。

最後に…

介護は、家族だけでも、制度だけでも支えきれない時代に入りました。だからこそ「分散して支える」という発想が欠かせません。地域・企業・個人、そしてデジタルを通じた共助。そこにWeb5やawabotaのような仕組みが加わることで、制度の外側にも新しい安心をつくることができます。

私自身、介護職の経験をawabotaで発信し、仲間と共有する中で「孤独に耐える介護」から「仲間とつながる介護」へと視点が変わりました。制度に頼るだけではなく、自分たちで未来をつくる――その一歩は小さくても、必ず次につながります。

あなたなら、介護の未来を守るためにどんな一歩を踏み出しますか?

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