高齢者にとって病院への通院は大きな負担です。足腰が弱ったり、送迎の人手がなかったりして、「本当は診てもらいたいのに病院に行けない」という声もよく聞きます。そんな問題を解決するカギとして注目されているのが、DID(分散型ID)という新しい仕組みです。
通院できない高齢者が抱える現実
高齢者にとって「病院に行く」という行為は、想像以上に大変です。
- 足腰が弱って外出がつらい
- タクシー代や交通費の負担が大きい
- 家族が送迎できないと受診自体をあきらめる
- 体調が悪い時ほど病院に行くことが難しい
こうした理由から「薬が切れてしまったけど病院に行けない」「症状があるけど、診察を受ける体力がない」といった状況がよく起こります。
この問題は放置すれば 病気の早期発見や治療の機会を逃す ことにつながり、命にかかわることもあります。
DIDとは?
そこで注目されているのが DID(分散型ID:Decentralized Identifier) です。
「なんだか難しそう」と思うかもしれませんが、イメージとしては “自分専用のデジタル身分証明書” だと思ってください。
- 今のマイナンバーカード:国が一括で管理している → 使い方が限定的
- DID:自分のスマホやアプリに保存され、必要な時だけ相手に提示できる
つまりDIDは「自分のデータを自分で持つ」仕組みです。銀行口座や病院のカルテのように、組織ごとに分かれているデータを、一人ひとりが自分でまとめて管理できるようになるのです。
DIDで医療・介護データをまとめるとどうなる?
もし高齢者がDIDを持っていたら──。
- 通院歴や検査結果、薬の処方歴をまとめて保存
- 介護施設での記録(食事・排泄・体調)も自動で反映
- 血圧や体温など、AIのセルフバイタルチェック結果も追加
そして必要な時だけ、医師や介護士に「この部分を見てください」と情報を共有できます。
「全部丸ごと渡す」のではなく「必要な情報だけ渡す」ことができるのが大きな特徴です。
オンライン診療との相性
DIDの強みは オンライン診療 との組み合わせです。
高齢者が家から出られなくても、
- スマホやタブレットで医師に相談
- 必要なデータをその場でDIDから共有
- 検査や診察の参考にしてもらえる
これなら「本人が病院に行けなくても、データが病院に行ってくれる」仕組みができます。
薬の処方や必要な対応が早くなり、介護士や家族の負担も軽くなるでしょう。
DIDが広がればどうなる?
DIDが一般的に使えるようになれば、こんな未来が見えてきます。
- 転院や施設移動のときも、説明や書類のやり直しが不要
- 家族が遠方に住んでいても、介護記録を一緒に確認できる
- 医療と介護の「縦割り」が減り、情報がスムーズにつながる
これは「病院に行けない人を救う」というだけでなく、介護の現場や家族にとっても大きな支えになります。
最後に..
高齢化が進む中で「通院できない高齢者」をどう支えるかは、大きな課題です。
DIDが広がれば、病院に行けなくても必要な情報を医師や介護士に渡せるようになります。
「病院に行けないから診てもらえない」という時代は、終わりに近づいているのかもしれません。
DIDは、高齢者の命と安心を守るための新しい仕組みになる可能性があります。

