外側から見える景色は、確実に変わっている。
・紙の記録からICT・タブレット入力へ
・「身の回りの世話」中心から「自立支援・機能維持」中心へ
・経験や勘から、エビデンスや加算制度対応へ
・家族中心の説明から、契約と制度に基づく説明へ
・人の善意で補う運営から、仕組みで補う運営へ
同じ「介護」という言葉でも、
中で動いている力の向きが違う。
変化を生んだ前提
2000年に施行された
介護保険法 により、
介護は家族の役割から社会保険制度の枠組みに組み込まれた。
その後、
**厚生労働省**は
自立支援・地域包括ケア・科学的介護(LIFE)を推進している。
整理するとこうなる。
過去の前提
=生活を守ること
現在の前提
=機能を維持・改善すること
守る対象は同じでも、
求められている方向が異なる。
人材と役割の違い
過去
・長期勤務者が多い
・経験が価値の中心
・暗黙知で回る場面が多い
現在
・慢性的な人材不足
・離職率の高さ
・資格・研修・評価制度の細分化
・記録と説明責任の増加
人に依存する構造から、
制度に依存する構造へ重心が移っている。
利用者の立ち位置の変化
過去
・家族が意思決定の中心
・遠慮や我慢が前提
現在
・本人意思の尊重
・契約意識の明確化
・「サービスを選ぶ側」という自覚
利用者の立ち位置が変われば、
職員の立ち位置も変わる。
生まれているズレ
・理想と制度の距離
・人手不足と質向上の同時要求
・感情労働と数値管理の並存
・裁量の縮小と責任の増大
以前は関係性で吸収していた揺れを、
現在は制度の枠内で処理している。
定点に戻して整理する
これは、良し悪しの話ではない。
前提が移動した。
過去の介護は、関係性中心の構造。
現在の介護は、制度中心の構造。
同じ仕事に見えても、
支えている土台は変わっている。
その違いを分けて考えると、
現場で感じる違和感の輪郭が少し明確になる。